「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ」は約3ヶ月前に2連勝を挙げたベルギー戦に続き、東京オリンピックの会場となるさいたまスーパーアリーナを舞台に、チャイニーズ・タイペイと対戦。初戦はFIBAランキング10位のAKATSUKI FIVE女子日本代表が、同39位のチャイニーズ・タイペイを寄せ付けることなく91-59で下し、快勝しました。
現在3連覇中の「FIBA女子アジアカップ2019」まで、あと1ヶ月。目指すべきスタイルに対し、「良い時間帯と悪い時間帯の波があり過ぎました。まだ、良いチームにはなっていない感じがします」とトム・ホーバスヘッドコーチは納得していません。2016年リオデジャネイロオリンピック以降、アメリカWNBA挑戦やケガなどで代表活動から離れていた渡嘉敷来夢選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)が完全復帰。ベルギー戦は不在だった昨年のFIBA女子ワールドカップ出場メンバーの馬瓜エブリン選手(トヨタ自動車アンテロープス)とオコエ桃仁花選手(富士通レッドウェーブ)が復帰し、「良い選手が集まったのに最高のバスケがまだできていません」と理想とは離れている状況です。
チームハイの15点を挙げた宮澤夕貴選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)ですが、「前半は3Pシュートを決めることができましたが、後半に対応されたときにどうやって点数を獲るか、どうやって守ってそこからどうやって攻めるかが課題になってきます」と2点しか獲れなかった後半に課題を残します。同じく15点を挙げ、先発で起用された赤穂ひまわり選手(デンソーアイリス)も「出だしはすごく良かったですが、途中であまり良くない流れが来たり、その後にまた良いプレーができたりと波が多かったので、次はそこを修正していきたいです」。
中国遠征までは先発ポイントガードでしたが、この日はベンチスタートとなった本橋菜子選手(東京羽田ヴィッキーズ)は、「良いときはディフェンスからブレイクをたくさん出せましたが、悪いときはディフェンスのコミュニケーションミスやテンポが遅くなってしまい、この試合ではそちらの方が目立ってしまいました。自分たちのバスケを40分間継続することを目標としており、世界と戦っていく上では1秒も無駄にできないです」と選手から出てくる言葉は反省点ばかりでした。
女子日本代表が見据える先は、FIBA女子アジアカップでの4連覇であり、東京オリンピックで金メダルを獲得することです。「日本の武器であるスピードを生かし、アグレッシブなバスケを40分間継続すること」をテーマに、ホーバスヘッドコーチは強化しています。「トランジションが速く、今はビッグマンも3Pシュートを打っています。先日行われた男子アルゼンチン代表を見ても、ビッグマンが外からどんどんシュートを打っており、女子日本代表は男子と同じようなバスケをしています」と続け、これが世界で認められ、魅了しているスタイルです。
18,355人の声援が背中を押し、強豪ドイツ代表を破った男子日本代表戦の後に行われた三井不動産カップ。多くのファンがそのまま残り、女子日本代表にも大きな声援を送ってくれました。男子日本代表との同時開催は、「新しいファンを獲得できる良いチャンス」とホーバスヘッドコーチは考えています。女子日本代表はリオデジャネイロオリンピックに出場し、3大会連続でアジアを制し、世界で実績を残しています。そして今、男子日本代表の人気についていき、ともに盛り上がっていくことを選手たちも自覚しています。
埼玉県出身の渡嘉敷選手は、「他の選手以上にホーム感が強いです。もっともっと良いパフォーマンスを見せたいです。良かったところは継続し、反省点を修正して、次はもっともっと良い試合を見せられるようにします」と話し、多くのファンの前でのプレーを望んでいます。本日も、男子日本代表vsチュニジア戦の後、18:30よりチャイニーズ・タイペイと対戦します。男子日本代表戦を目当てにさいたまスーパーアリーナにお越しの方も、そのまま世界10位の女子日本代表戦をお楽しみください。「バスケットLIVE」でも、男子日本代表戦に続いて中継されます。